シルクスクリーンとは|印刷の仕組み・特徴・メリット・Tシャツ制作の基礎を解説

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シルクスクリーン印刷について

High-Quality Screen Prints

シルクスクリーン印刷とは?

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シルクスクリーン印刷は、メッシュ状の版(スクリーン)にデザインデータを焼き付け、 その版を通してインクをヘラ(スキージ)で布に刷り込む印刷方式です。 インクが布の表面にしっかりと乗るため、 発色が良く、色ムラのない仕上がりが得られます。 シンプルなロゴや文字だけでなく、グラフィックTシャツやイベントウェアなど、 高品質なプリントを長く着たい方に最適な印刷方法です。

シルクスクリーン印刷の仕組み

シルクスクリーン印刷は、版(スクリーン)を通してインクを生地表面に刷り込む方式です。 1色ごとに版を作って順番に重ね刷りするため、発色がよく、厚みのあるしっかりしたプリントに仕上がります。

デザインごとにスクリーン(版)を作成

デザインごとにスクリーン(版)を作成

デザインを色ごとに分解し、感光乳剤を塗布したメッシュ(スクリーン)に露光して、インクを通す部分と通さない部分を作ります。細線や写真調なら高メッシュ、ベタ面や厚盛りを狙うなら低メッシュといった具合にメッシュ数を選定します。濃色ボディでは発色を安定させるため、白下地(アンダーベース)用の版を別途用意することもあります。

版のメッシュ部分からインクを布に刷り込み

版のメッシュ部分からインクを布に刷り込み

Tシャツを治具で固定し、スクリーンを密着させてスキージで一定の角度と圧を保ちながらインクを押し通します。位置合わせ(見当)をミリ単位で合わせつつ、面積の広いベタや濃い色はテンポ良くムラなく刷り、必要に応じて二度刷りで均一な濃度を出します。
中間乾燥と重ね刷りで多色デザインを再現

中間乾燥と重ね刷りで多色デザインを再現

1色刷るごとに軽く中間乾燥(フラッシュ乾燥)を行い、インクのにじみや混ざりを防ぎます。淡い色から濃い色の順に重ねることで、くっきりとしたコントラストのある多色デザインが完成します。写真のような階調表現を行う場合は、網点(ハーフトーン)を使って明暗のドットを再現します。
熱処理(乾燥)でインクを定着

熱処理(乾燥)でインクを定着

刷り上がったTシャツはトンネルオーブンやヒートプレスで規定温度・時間の熱を加え、インクを完全硬化させます。プラスチゾルはツヤと耐久に優れ、水性はマットで生地になじむ仕上がりが得意です。温度や時間の管理が不十分だと洗濯耐久に影響するため、ここが品質の要になります。

💡 仕上がりのイメージ

  • インクを生地表面に“のせる”方式なので、はっきりした発色と適度な厚みが出ます。
  • ベタ面はツヤ感・コシがあり、ロゴや図形のシャープさが際立ちます。
  • デザイン・インク種類・メッシュ設計により、マット寄り/グロス寄り/ラバーライクなど質感を調整できます。

シルクスクリーン印刷のメリット

シルクスクリーン印刷は、古くからアパレル業界で使われ続けてきた定番の印刷方法です。 インクをしっかりと生地の表面にのせることで、鮮やかな発色と高い耐久性を両立できるのが最大の特徴です。 ここでは、Tシャツ製作でシルク印刷を選ぶ際に知っておきたい主なメリットを紹介します。

発色が鮮やかで存在感のある仕上がり

発色が鮮やかで存在感のある仕上がり

シルクスクリーン印刷は、インクを生地の上にしっかりと“のせる”印刷方式のため、発色が非常に鮮やかでメリハリのある仕上がりになります。濃い色のTシャツでもカラーが沈まず、ロゴや文字がくっきり際立ちます。特に企業ロゴやイベント用デザインなど、視認性や印象の強さを重視したデザインに最適です。

高い耐久性・洗濯にも強い

高い耐久性・洗濯にも強い

インクの層に厚みがあるため、摩擦・洗濯・日光による退色にも強く、長期間使用しても色落ちしにくいのが特徴です。繰り返しの着用にも耐えるため、チームTシャツやユニフォーム、販売用アパレルなど、日常的に使用するアイテムにも安心して採用できます。時間が経つにつれ、わずかに風合いが変化していくのも味わいのひとつです。

インクの種類が豊富

インクの種類が豊富

シルクスクリーン印刷では、使用できるインクの種類が非常に多いのも魅力です。
ラバー調の立体感あるインク、マットな水性インク、メタリック・蛍光・発泡などの特殊インクまで、質感や見た目を自在にコントロールできます。これにより、同じデザインでも印象を変えたり、ブランドの世界観に合わせた仕上がりを実現できます。

大量生産時のコストが安い

大量生産時のコストが安い

シルクスクリーン印刷は、同じデザインを繰り返し印刷するほどコストパフォーマンスが高くなる方式です。
一度版を作ってしまえば、数十枚〜数千枚の大量生産にも安定して対応でき、1枚あたりの単価を大きく下げられます。イベントTシャツやノベルティなど、大量生産を前提とした案件に特におすすめです。

シルクスクリーン印刷の注意点・デメリット

シルクスクリーン印刷は、発色・耐久性ともに優れた伝統的な印刷方式ですが、 その分だけ制作工程やデザインの特性にいくつかの制約があります。 仕上がりのイメージやコストを想定するうえで、あらかじめ知っておきたいポイントをまとめました。

1色ごとに版が必要

1色ごとに版が必要

シルクスクリーン印刷は色ごとに専用の版(スクリーン)を作るため、多色デザインほど版の数と初期コストが増えます。同じデザインを大量に刷る場合は1枚あたりが下がりますが、小ロットでは割高になりやすいのが実情です。色替えやサイズ違い(胸・背中など)の配置を増やす場合も、その分段取りとコストが発生します。

グラデーションや写真表現には不向き

グラデーションや写真表現には不向き

スクリーン印刷でも網点(ハーフトーン)で階調を作れば近い表現は可能ですが、フルカラー写真や繊細なボカシはインクジェットのような滑らかさに及びません。細部でモアレ・粒状感が出やすく、色数が増えるほど版・見当合わせの難易度とコストも上がるため、写真再現メインなら別方式の検討が安全です。

プリント面にやや厚みが出る

プリント面にやや厚みが出る

インクを生地表面に“のせる”方式なので、発色が強い反面、手触りにコシや厚みが出ます。ロゴやベタ面では存在感として活きますが、柔らかい風合い・軽い着心地を最優先する用途には不向きな場合があります。水性インクや高メッシュで薄めに仕上げる工夫もありますが、DTFやインクジェットほどのナチュラル感にはなりません。

オリジナルTシャツプリント料金表

DTFプリント
枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内28cm×40cm 以内34cm×40cm 以内
1~4枚850円1000円1200円1300円
5~19枚650円850円1100円1150円
20~29枚550円750円900円950円
30~49枚450円550円800円880円
50~99枚390円470円700円800円
100枚~お問い合わせ下さい

基本納期:5~14営業日※お急ぎの方はお問い合わせ下さい。

【ご確認下さい】
※転取紙プリントから所持分の料金となります。前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※色味や仕上がりはパソコン・モニターによって異なる場合があります。
※色味確認・サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量によってはアップチャージが必要になる場合がございます。
※あらかじめご了承ください。

DTFプリント

枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内28cm×40cm 以内34cm×40cm 以内
1~4枚600円900円1100円1200円
5~19枚580円850円1050円1100円
20~29枚550円750円980円1050円
30~49枚450円650円950円1000円
50~99枚390円590円850円920円
100枚~お問い合わせ下さい

基本納期:5~14営業日※お急ぎの方はお問い合わせ下さい。

【ご確認下さい】
※DTFプリントは版代不要です。
※転取紙プリントから所持分の料金となります。前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※色味や仕上がりはパソコン・モニターによって異なる場合があります。
※色味確認・サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量によってはアップチャージが必要になる場合がございます。
※あらかじめご了承ください。
別途データ処理代:3,000円 ※50枚以上のご注文時無料

インクジェットプリント 注意 上部料金:カラーインク(白インクなし)/下部料金:白インク+カラー

枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内28cm×40cm 以内34cm×40cm 以内
1~4枚
650円
800円
900円
1050円
1150円
1300円
1200円
1350円
5~19枚
600円
750円
800円
950円
1050円
1200円
1100円
1250円
20~29枚
550円
700円
700円
850円
950円
1100円
1000円
1150円
30~49枚
450円
600円
600円
750円
850円
1000円
950円
1050円
50~99枚
420円
570円
520円
670円
820円
970円
920円
1070円
100枚~
390円
540円
550円
700円
800円
950円
900円
1050円
【最大印刷サイズ】料金表には記載がございませんが最大 W41cm × H52cm までの印刷が可能です。
最大サイズでの制作がご希望の方はお問い合わせ下さい。

基本納期:5~14営業日※お急ぎの方はお問合せ下さい。

【ご確認下さい】
※インクジェットプリントは版代不要です。
※転取紙プリントから所持分の料金となります。前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※パソコン・モニターによって色具合が異なる場合があります。
※色味確認・サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量などによってはアップチャージが必要になる場合があります。
※あらかじめご了承ください。
別途データ処理代:3,000円 ※50枚以上のご注文時・リピート制作時は無料

シルクスクリーンプリント (1カラー)

枚数12cm×12cm 以内20cm×28cm 以内34cm×40cm 以内
30~49枚200円300円400円
50~99枚150円200円250円
100~299枚80円100円120円
300~999枚60円70円80円
1000~枚別途お見積り
製版代金(データ処理含む)2500円4000円6000円
【最大印刷サイズ】料金表には記載がございませんが最大 W41cm × H52cm までの印刷が可能です。
最大サイズでの制作がご希望の方はお問い合わせ下さい。

基本納期:5~20営業日※お急ぎの方はお問い合わせ下さい。

【ご確認下さい】
※シルクスクリーンプリントは版(版代)が必要です。
※前後などにプリントする場合は前後それぞれの数量計算となります。
※サンプル出荷をご希望の場合はお問い合わせ下さい。
※インク量などによってはアップチャージが必要になる場合がございます。
※あらかじめご了承ください。

インクカラー見本

下記のインクサンプルはシルクスクリーン印刷で使用する代表的なカラーです。 デバイスの画面表示との違いによって、実際の仕上がりと色味が異なる場合がございますのでご了承ください。 また、素材によってはメタリックインクが使えないケースもありますので、詳しくはお問い合わせください。

インクカラー見本

印刷方式の比較

Tシャツやグッズ制作でよく使われる3つの印刷方式の特徴を比較しました。

項目 インクジェット シルクスクリーン DTFプリント
仕上がりの特徴 写真のようなフルカラー表現が得意。生地になじむ自然な質感。 発色が強く、色ムラが少ない。インクの厚みで立体感が出る。 発色・耐久性ともに優秀。やや光沢がありプリント面が滑らか。
コスト 小ロット向き。枚数が少なくても安価。 版代がかかるため大量生産向き。 中ロットでもコスパ良好。初期費用ほぼ不要。
最適な数量 1枚~10枚程度 30枚以上 10~200枚程度
対応素材 綿100%、淡色ポリエステルなど ほぼ全素材(綿・ポリ・ナイロンなど) 綿・ポリ・ナイロンなど幅広く対応
向いているデザイン 写真やグラデーション、多色デザイン ロゴ・文字・単色イラスト ロゴ・イラスト・フルカラーデザイン
耐久性 摩擦や洗濯で徐々に薄くなる 非常に高い。長期使用にも◎ 高耐久。伸縮にも比較的強い

※素材・デザイン条件により最適な方式は異なります。

どんなグッズに使われている?

シルクスクリーン印刷は、発色の鮮やかさ・耐久性・コストパフォーマンスの高さから、Tシャツをはじめとした衣類や布製品に幅広く利用されています。 特にロゴや文字をしっかり見せたいデザイン、長く着用するユニフォーム・イベントTシャツ・スタッフウェアなどに最適です。 ここでは、実際に採用されている代表的なアイテムを紹介します。

よくある質問(FAQ)

Q シルクスクリーン印刷とはどんな印刷方法ですか?

A
版(スクリーン)を使ってインクをTシャツの表面に刷り込む印刷方法です。 色ごとに版を作って重ね刷りすることで、発色が鮮やかで厚みのある仕上がりになります。 耐久性が高く、長く使うTシャツやユニフォームにも向いています。

Q 何枚から注文できますか?

A
30枚から製作は可能ですが、シルク印刷は版を作るための初期費用がかかるため、 少量だと1枚あたりの単価が高くなります。

Q どんなデザインに向いていますか?

A
ロゴ・文字・イラストなど、はっきりしたデザインに最適です。 発色が強く、線や形がくっきり出るため、企業Tシャツ・イベントウェアなどにも多く採用されています。 一方で、写真やグラデーションのような階調表現は苦手です。

Q フルカラー印刷もできますか?

A
原理的には可能ですが、色数が増えるほど版が増えるためコストが上がります。 写真やグラデーションを表現する場合は、インクジェット印刷やDTFプリントの方がきれいに再現できます。

Q 濃い色のTシャツにも印刷できますか?

A
はい、可能です。 シルク印刷では、濃色生地にカラーをのせる際に**白インクの下地(アンダーベース)**を敷くことで、 明るい色でもくっきりと発色させることができます。

Q プリントの厚みや手触りはどんな感じですか?

A
インクを生地の上にのせる方式なので、やや厚みとコシのあるしっかりした手触りになります。 ラバーインクを使うと弾力のある仕上がりに、水性インクを使うとマットで柔らかめの風合いに調整できます。

Q 洗濯しても落ちませんか?

A
適切に硬化(熱処理)されたシルク印刷は、非常に耐久性が高く、洗濯でも簡単に色落ちしません。 長期間使用しても発色を保ちやすく、経年変化で少しずつ風合いが増すのも魅力です。

Q どんな素材に印刷できますか?

A
主に綿やポリエステル混紡などの平らな布地に印刷できます。 ただし、リブやポケット、段差のある部分には版を密着できないため、印刷はできません。

Q 1色ごとに費用が変わるのはなぜですか?

A
シルクスクリーン印刷では、使う色の数だけ版を作る必要があるため、 1色増えるごとに版代と印刷工程が追加されます。単色デザインほどコストを抑えやすい仕組みです。

その​他の​印刷方​法

グッズメイドでは、商品やデザインの特性に合わせて複数の印刷方式を使い分けています。 素材や色味、仕上がりの質感によって最適な方法が異なります。 ここでは、代表的な4つの印刷方式 ― シルクスクリーン印刷・UV印刷・DTF印刷・UV硬化インクジェットプリント ― の特徴をわかりやすく紹介します。

インクジェットプリント

インクジェットプリント

プリンタのヘッドから直接インクを吹き付けて布に定着させる方式です。グラデーションや写真のようなフルカラーデザインをそのまま再現可能
版が不要で、1枚から製作できるのも特徴です。

インクジェットについて詳しくはこちら

DTF印刷

DTF印刷

専用フィルムに印刷して熱で布に転写する新しい方式です。版が不要で、1枚からフルカラー印刷が可能。細かいデザインにも対応し、Tシャツやスウェットなどのアパレルに人気です。

インクジェットについて詳しくはこちら